理科研究部【合同】 最新情報

2023年9月

【理科研究部】2023年度所沢市企画展『関東大震災百年』 関連講座の報告

2023年09月27日

8月15日~9月24日まで所沢市生涯学習センターで開催されている所沢市文化財保護課主催の企画展『関東大震災百年』の「関連講座」が、9月16日(土)に実施されました。

午前10時からの講演では、理科研究部でこれまでに取り組んできた研究「埼玉県の関東地震(1923年9月1日発生)の記録の調査・分析」の成果を、スライドを用いて発表をしました。
(発表スライドは、こちらより閲覧できます)

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講演に続いて、理科研究部と共に企画展での展示発表をしている市民学芸員の方々も登壇され、パネルディスカッションが行われました。
参加者の皆さんより質問やコメントをいただき、登壇者が説明をする形式で進められました。

所沢市や周辺各地の地震による揺れや被害、被害の大きかった東京方面から所沢方面への避難民のこと、流言による混乱のこと等、積極的に多くの質問がありました。また、理科研究部の研究の取り組みを称賛下さる旨のコメントも頂き、大きな励みとなりました。
40分間のパネルディスカッションは、その前の60分間程の講演と共にあっという間の時間に感じました。

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午後からは、企画展の会場(3階の企画展示室)において、展示解説の時間が設けられました。
展示をされているパネルの要点や午前中の講演で話しきれなかったことを、荒井・篠田・徳田の順に、思い思いに語りました。また、展示解説文化財保護課で収集された資料に関する詳しい解説も聞くことができました。

我々が調査をしたこと、市民学芸員の皆さんや文化財保護課の方々が調査されたことを合わせると、所沢市の大正時代の様子や震災(揺れによる被害から復旧までのこと)について、点から線へとつながりが見えてきました。

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「関連講座」や「展示解説」には、理科研究部が地震の学習に着手をした2009年度に当時高校1年生で三陸地方の巡検に参加した卒業生(写真の左奥と左手前)も来場してくれました。
徳田君の同級生(栄東中学3年生)も講演を聞いて、パネルディスカッションでは卒業生の篠田君へ「関東地震と流言」に関する質問をしていました。また、過年度に所沢市の石碑調査へも同行していただいた東京大学地震研究所の研究者の方や、私の出身高校の部活動(山岳部)の先輩も来場してくださいました。
関連講座の当日も含め、本企画展にご来場下さいました皆さまに感謝を申し上げます。

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企画展は、9月24日(日)まで開催されました。
企画展を終え、関東大震災百年の節目は過ぎていっても、引き続き常日頃から地震に対する意識を持ち続け、地道に研究を進めていければ幸いです。
今後ともご指導をよろしくお願い致します。

【理科研究部】地震の学会「第40回歴史地震研究会(小田原大会)」参加報告

2023年09月06日

1923年(大正12年)9月1日に発生をした大正関東地震から100年の節目の9月1日(金)~9月3日(日)の3日間、小田原三の丸ホール(神奈川県小田原市)を会場に、地震の学会(第40回歴史地震研究会)が開催されました。

中学3年の徳田君が参加し、ポスターセッションでのプレゼンをしました。
タイトルは「埼玉県所沢市における企画展『関東大震災百年』の報告」で、8月15日より所沢市生涯学習推進センターで開催されている企画展での発表に関して、研究の経緯から成果までを、A0版1枚のポスターにまとめました。

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学会1日目の午後に行われたポスターセッションには、多くの研究者の方が見てくださり、助言をいただき、また意見交換をすることができました。
理科研究部の最近10年間の集大成でもあり、卒業生の篠田君(42期生)もポスターの著者に加わってもらい、生徒・卒業生・顧問による共著となりました。

今回の学会では、在学中に地震の研究に取り組んでいた40期生の上村君と上記の篠田君も、大学で取り組んでいる研究の成果について、それぞれポスター発表と口頭発表をおこないました。
同じ学会に、生徒と卒業生が一緒に参加をするのは、理科研究部では初めてのケースでした。

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学会は、研究会(学会の口頭セッションとポスターセッション)・懇親会・野外の巡検・公開講演会(一般向け)の4つのプログラムが用意されていて、徳田君は全てのプログラムに参加しました。

1日目の研究会後におこなわれた懇親会では、卒業生2人との交流を深めることができました。(左の写真)
さらに懇親会が始まり場の雰囲気が一層なごんでくると、生徒・卒業生の3人それぞれが、日中の研究会で発表を聞いた研究者や議論を交わした研究者の方々とも、積極的にコミュニケーションを深めている姿もたいへん印象的でした。(右の写真)

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学会の2日目(研究会)と3日目(巡検(午前)・公開講演会(午後))も、他者の発表を聞いたり、現地での地震・津波に関する見学をしたり、多くのことを学べました。
巡検は、「鎌倉の海岸低地と1703・1923年関東地震」をテーマに、1703年と1923年に発生をした2つの関東地震(元禄地震と大正地震)による地震や津波の被害を生じた鎌倉市を訪れました。
光明寺では、2つの地震による津波のこの付近での浸水域について話を聞きました。また、市内の豆腐川(現在は暗渠部が多い)に沿って海岸から内陸側へと、大正地震による津波の推定到達地点まで歩き、海とつながっている河川で遡上をする津波への備えに関する教訓を学びました。(下の写真)
巡検の最後に、鶴岡八幡宮の境内に建つ鎌倉国宝館を訪れ2つの関東地震に関する文書の記録や被災当時の写真・写生図といった貴重な資料を見学しました。

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各プログラムを通して、「自身の研究活動の成果の発表」・「他者の発表や現地の見学からの学び」・「研究者との交流」といったこの学会に参加をする目的を十分に達成でき、有意義な3日間を過ごすことができました。
この機会を、今後の学校での授業等における学習や部活動での研究活動へ大いに活かしていけることを期待しています。

おわりに、所沢市企画展「関東大震災百年~その時所沢は~」は月曜日を除く9月24日(日)までの間、開催されております。
9月16日(土)は、「関連講座」が開催され、企画展でパネル展示をさせて頂いている内容を含め、徳田君と篠田君が口頭での発表いたします。

引き続き、皆さまのご指導をよろしくお願い申し上げます。

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