理科研究部【合同】 最新情報

「気球を使って宇宙を目指そう!」プロジェクトがスタート!!【理科研究部】

2012年12月08日

 高校1年1組 垣原 秀俊

 10月25日、私は現在進めている研究「ザ・スペースバルーン」の事前学習及び情報収集として、茨城県つくば市にある「高層気象台」を訪問しました。この「ザ・スペースバルーン」とは、一言でいえば、「気球を使って宇宙を目指そう!」という計画です。具体的には、気象観測などで使われる直径2メートルほどの気球(ガス風船)に、デジタルカメラや観測器具を積んで高度30キロメートルの成層圏まで飛ばし、写真撮影や科学観測を実施します。高度30キロメートルまで上がると、空の色も黒くなり、宇宙から見たのとほとんど変わらない、美しい、青くて丸い地球を撮影できます。また、空気も地上の100分の1しかないため、地上とは全く異なる、様々な気象現象が観測できるのです。

 高層気象台は、その名の通り高度何千、何万メートルという「高層大気」を重点的に研究、観測している施設です。そこには、もう何年間も気球を上げ、観測に打ち込んでいる、いわば「気球のプロ」たちが揃っていました。気象台を訪問したことで、具体的な気球の打ち上げや回収に関する専門家の方々の意見を伺えました。例えば、上空のマイナス50℃の寒さから機器を守るため、お湯を入れたボトルを機体に取り付けた方が良いこと、日本では法律の制限があるため、事前に空港の航空局へ許可をもらわなければならないことなどです。実際に観測に使われている気球を見せて頂き、ジェット気流の発見といった日本の高層気象観測の歴史にも触れ、とても有意義な1日でした。

 「ザ・スペースバルーン」は、来年夏の気球打ち上げを目指しています。現在は一人で取り組んでいますが、気球の打ち上げ時には多くの人手がいるため、協力してくださる方を募集しています。

 11月14日には、現在進めている歴史地震や地震観測の研究の一環として、東京大学地震研究所と気象庁を訪問しました。

 地震研究所では、過去に起こった地震や地震を観測する地震計の仕組みを学びました。図書館にも入り、「なまず絵」の実物を見ることができました。昔は、地震はナマズによって引き起こされていると信じられていて、人々が地震を起こしたナマズをこらしめている絵もありました。地震によって生じた火災から逃げ惑う人々の絵や、明治時代ごろに来日した研究者の作った地震計も展示されていました。過去に起こった地震の調査から、今日に通じる防災地震学上の発見を得ようとする研究を、理科研究部は積極的に行っています。今回の訪問は、私たちが研究を進めていくうえで、非常に大きな糧となりました。

 気象庁では、庁内にある気象科学館をはじめ、24時間地震や気象現象の監視業務をおこなっている現業室の中を見学させて頂きました。また、「判定会室」や記者会見室にも入れて頂くことができました。

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