平成28年度 さいたま市学校総合体育大会 ダイジェスト
6月4日(土)から行われた中学体育連盟主催の学校総合体育大会さいたま市大会において、本校野球部が9年ぶり2回目の準優勝を果たしました。熱戦の結果を紹介します。長文で、しかも野球の専門用語が多くなってしまうことはご容赦ください。
一回戦 泰平中学校 0-7 勝ち
大会初戦になる一回戦はいつも大変な緊張感のもとでのプレイボール。ガチガチの選手たちはそれでもアップから大きな声を出し、自分たちを鼓舞した。これから始まる大会にかける意気込みをぶつけるようなアップに頼もしさと、自信を得る。
いざ試合が始まると、両チームなかなかチャンスをつかめないまま3回まで試合は進み、4回の表、一死1・3塁、迎えるバッターは四番と最初のピンチを迎える。緊張感は最高潮に。しかしここで、中学から野球をはじめて、今年の春にようやくレギュラーを掴んだサードの稲田君の所へ打球が飛び、一瞬ヒヤッとしたものの、ナイスプレーでバックホームで封殺。ピンチをしのぐ。これで全員の緊張感が解け、4回の裏に長打を絡めて2点、5回にも4点を追加し、最後は6回の裏、主将がコールド勝ちとなるセンター前ヒットを打って初戦突破。
力の差はなく、一つのプレーが勝敗を分けた試合となった。
二回戦 大原中学校 0-4 勝ち
一回戦も苦しい試合を制して二回戦に駒を進めたが、二回戦も非常に苦しい試合となる。
この試合は大原中の好守にはばまれ、ほとんどランナーを出せない試合だった。さらに、こちらは守備の間に落ちるテキサスヒットもライナーでしっかり打たれるヒットもあり、毎回のようにランナーを出す苦しい展開。試合が動いたのは4回の攻防、四回の表、大原中の攻撃は無死1・2塁と、大ピンチ。しかしここはエースの五十嵐君が踏ん張り、無得点に抑える。その裏、栄東の攻撃は、死球とエラーがらみで無死2・3塁、ここを3番4番がしっかりと得点に結びつけ2点を先制。なおも二死から5番6番7番の連続ヒットと盗塁を絡めてさらに2点、あとはこのリードを守りきり、二回戦突破。
力の差はなく、一つの回が勝負を分けた試合となった。
三回戦 原山中学校 1-2 勝ち
三回戦に入ると県大会出場が少しずつ見え隠れする戦いに入っていく。当然対戦相手も二試合勝ち上がってたくさんの想いを背負って臨む試合。どちらも勝ちたい、そんな思いが選手を固くさせる。
両チームとも二死三塁を何度かつくり、しのいでしのいで戦う試合となった。二回の裏に6番の青山がヒットで出塁し、盗塁二つを含む脚を使った攻撃で一点を先制するが、6回までは0-1でしびれるような展開。そして7回の表に原山中に無死から四番に二塁打を打たれ、それをしっかりと得点に結びつけられて、同点。7回の裏は一死からまたしても6番の青山が三塁打を放ち、それをきっちりとサヨナラ勝ちに結びつけ、三回戦突破。
力の差はなく、集中力でもぎ取った勝利であった。
準々決勝 土屋中学校 2-3 勝ち
いよいよ県大会を決める大一番、相手は新人戦の第3シード、土屋中学校。バッテリーが中心の守備が堅いと評判のチーム。試合は両投手を中心に堅い守りの投手戦となった。
栄東はほとんどの回でランナーを出すことができず、相手投手に三振の山を築かれる。逆に土屋中は疲れの見えるエース五十嵐を攻め、毎回のようにチャンスを作る。しかし、あと一本というところで一番のボールを投げ込み、要所を締める投球。否応なしに試合のボルテージは高まっていく。白熱の試合は延長戦に入ってもお互いに得点を許さない。0-0のまま試合は特別延長戦(お互いに無死満塁から得点を多くとった方のチームが勝ちというルール。)へ。先攻の土屋中学校は2点を挙げる。後攻の栄東は、先頭バッターが3番の五十嵐。ここまで投手として相手を抑えてきたが、最後は自分のバットで走者一掃となるレフトオーバーの三塁打を放ちサヨナラ勝ちで準々決勝突破。同時に念願の9年ぶりとなる県大会の切符を掴む。
力の差はなく、粘り強さと精神力の勝利であった。
準決勝 植竹中学校 5-2 勝ち
県大会への切符を掴んで、一日雨で順延しての準決勝、相手は同じように新人戦で悔しい思いをしてノーシードから勝ち上がってきた植竹中学校。同日に決勝戦を行う日程のため、準決勝では二番手投手となる鈴木が登板。二年生ながら、絶対に三年生を決勝に連れていくと朝から並々ならぬ思いで登板した。
今大会初めての先攻となったこの試合は、3回の表にヒット、盗塁、四死球に少しのエラーも絡み、一挙に4点を挙げ、試合を有利に進める。続く4回にも1点を挙げ5-0となるが、地力のある植竹中に油断は一瞬もできない。6回の裏に打って打って2点を返されると、最終回もランナーを出し、ベンチはドキドキだが、出ている選手は堂々と戦い、5-2で勝利を挙げる。
力の差はなく、二年生の先輩を想う気持ちが呼び寄せた勝利であった。
決勝 大谷口中学校 3-4 負け
新人戦で準優勝している強豪大谷口中学校。決勝は多くの選手、観客が見守る中、昼過ぎにプレイボール。お互い一試合をやった後だが、集中力は切れない。
後攻大谷口中は初回、先頭バッターが出塁すると、一気果敢に攻め立て波状攻撃で3点を先制される。しかし栄東も負けじと2回の表に2点を返す。守りもリズムを取り戻して三者凡退。さぁ逆転と思った3回の表、大谷口中学校は投手を交代。これが成功してしまい、追加点を挙げられない。逆に大谷口中は4回の裏、死球をしっかり得点まで結び付け2-4と突き放される。2点を追う最終回「絶対優勝するぞ!」とベンチの前で円陣を組み、臨んだが、気持ちは両チーム同じ。集中力は乱れない。二死を取られる。しかしここからヒット、四球でチャンスを作り、1番の北村が左中間を破り二塁打。一点を返しなおも2・3塁。続く2番阿部の打球は三遊間に飛び、あわやと思ったが、大谷口中のショートの素晴らしいプレーに阻まれゲームセット。準優勝という結果に終わった。
力の差はなく、責任は監督にある...選手には悔しい思いをさせてしまった。
準優勝という結果にも満足せず、悔し涙を流した気持ちを大切に、県大会にぶつけようと誓った。
県大会の報告は別のまとめをしてあります。そちらの方もご覧ください。選手は一年生で入ってきてから、自ら考え、自ら判断し、自ら行動し、それを修正することで力をつけてきました。夏季大会も新人戦も、優勝を目指して努力しましたが、悔しい敗戦で、悔し涙を流してきました。その気持ちを忘れず冬季練習で技術力と体力と精神力と判断力を身に付け、今大会では準優勝という結果を残すことができました。おそらく同じようにどの中学校も熱い思いで大会に臨み、ほんのわずかな流れ、きっかけ、声掛けで結果が変わったのだと思います。すべての努力は美しい。改めてそう思わせてもらった大会でした。写真もたくさん載せておきますので熱戦の雰囲気を感じてください。