『隠蔽捜査シリーズ』
著者:今野敏 / 出版社:新潮社
官僚のイメージ
「官僚」は既得権益を貪る悪の権化のように
極端な捉え方をしている人もいるかもしれないが、
実際にこの国は「官僚」が動かしている。
主人公の竜崎は、小学校の時にひどいいじめにあっていて、
いじめに打ち勝つために必死で勉強し、
人生を懸けて国に奉仕することを誓った。
竜崎は、家族の問題、職場の上下関係、
時には恋にさえ悩むとても多感な人物であるが、
物語終盤からこうして悩んでいたことが
嘘のようにスマートに解決していく。
その力となるのは、官僚を形作っている国のためという
正義を貫く"原理・原則"である。
(文章:高校1年 Aさん)
『魔の山』
著者:トーマス・マン / 出版社:新潮社
ドイツ教養小説の名作
いとこのお見舞いに一人アルプス山中の
国際サナトリウム(結核療養所)に向かったドイツ人青年は
自分もまた入院する羽目になってしまう。
結核が死の病だった時代、
下界とは時間の流れ方までも違っているように思える山の中で
個性的な各国の患者たちと交流する青年が成長していく物語。
上下巻千ページを超す大作は
時間のある学生時代にこそ読むべき一冊。
(文章:高校1年 Sさん)